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「どうして生きづらいんだろう」3つの要因と“気づきにくさ”から考える ―からだの視点も

「生きづらい」理由は、いくつものことが複雑にからみあっていることがほとんどです。

 「生きづらい」そう感じる理由は、人によって本当にさまざまです。けれども共通しているのは、その理由がたいてい1つではなくて、いくつもの要因が複雑にからみあっているということです。
 
 たとえば、以下のようなことが関係している可能性があります。

  • 生まれ育った環境の影響
  • 生まれもった性質にとって、生きやすい環境にいないこと
  • トラウマの影響

生まれ育った環境の影響

 私たちは、自分の生まれ育った環境や両親について、自分にとっては当たり前のものなので、なかなか客観的にみてみることが難しいものです。子どものころは、特にそうだと思います。

 ですからたとえば、かなりしんどい状況の中で生まれ育ったと思われる場合でも、そのような自覚はなく、むしろ「自分は恵まれた環境で育った、それなのに生きづらいと感じているなんておかしい」と自分を責めている方もいます。

 また、自分の家族は他の家とは少し違うようだ、となんとなく感じていたとしても、他の家族の中で生まれ育つのがどんな感じなのか、想像するのはそれほど簡単ではありません。自分の生まれ育った家庭環境が今の生きづらさとどんなふうに関係していそうなのか、自分ではなかなかつかみにくいものです。
 
 身近に安心して話せる人がいる方は、まずはその人に話してみるのもよいと思いますし、専門家に相談して、客観的にながめる手助けをしてもらうのが有効だと思います。

生まれもった性質にとって、生きやすい環境にいないこと

 私たちはそれぞれに、ユニークな存在です。人づきあいが得意であったり、苦手であったり、いろいろなことを繊細に感じやすかったり、あまり細かなことが気にならなかったり…。

 さまざまな性格や性質の中には、社会の中での生きにくさを生じやすいものがあるのはたしかだと思います。けれども、そうした性格や性質をもっていること自体が、生きにくさに直結しているわけではありません。
 
 たとえば、とても繊細で傷つきやすい感性をもっている子どもがいたとします。その子のお母さんは、子どもの傷つきによく気づいて、すぐに優しく声をかけたり、どんなふうに困りごとに対処すればよいか一緒に考えたり、アドバイスしたりする人だったとします。そうするとその子は、時々小さなつまづきを経験したとしても、生きにくさを感じすぎることなく成長するかもしれません。

 一方、同じ子どものお母さんが、子どもに対する愛情はあるけれど、もともと人の気もちを感じとることが苦手な性質をもっている人だったとします。そのお母さんは、子どもが元気がなさそうな様子だったとしても、そのことに気づかず、いつものように明るく子どもに話しかけるかもしれません。そのようなお母さんの関わりに、その子は助けられるところもあるかもしれませんが、一方で、自分の気もちに十分に気づいたり、自分が傷ついているときにどう対処すればよいか、知る機会があまりないまま成長するかもしれません。

 このように、心身が明らかに傷つくような暴力的な環境にあるわけでも、相手に悪気があるわけではなくても、私たち一人ひとりのユニークさに合った環境で生活していないことが、生きにくさにつながることがあります。ここにあげた例のように、自分でも気づきにくいし、他の人にも気づかれにくいものも少なくないのではないかと思います。

トラウマの影響

 「トラウマ」という言葉から、どのようなことが想起されるでしょうか。災害、事故、暴力、性的被害などを経験したことに関係していると思っている人が多いと思います。そうなのですが、このようなこと以外にも、ずっと広範な出来事がトラウマにつながる可能性があります。たとえば、自転車で転んだけれど大きなけがをすることはなかった、といったような、大したことではないと一般的には考えられているようなことも含まれます。
 
 当相談室で用いているソマティック・エクスペリエンシング®︎というトラウマへのアプローチ法では、出来事自体の性質や、その出来事をどのように頭でとらえているか、に加えて、身体がどんなふうに危険を感じたか、を大切にします。つまり、自分では気づいていなくても、身体が危険を感じたという経験が、今の生活の不自由さ、生きにくさに影響している可能性があります。その影響は、疲れやすくなったり、人間関係で不安になりやすくなったり、などさまざまな形で続くことがあります。出来事を経験してから、何年も何十年も経過していても、です。

ソマティック・エクスペリエンシング®︎についてもう少し知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。

なぜだか分からないけれど思い浮かんできたことを大切に

 この記事を読んでいるうちに、これまでご自分が経験してきたいくつものことが、思い浮かんできた人もいらっしゃるかもしれません。まずはそういったことの1つ1つを書き出してみてください。なぜだか分からないけれど思い浮かんできた、ということを大切にしてください。こんなことは今の自分のしんどさに関係ないはず、と思ってしまうと、もったいないです。全部書き出してみて、書いたものを改めてながめてみると、何か発見があるかもしれません。


 自分のことについて、それまでとは違った角度からみてみようとするとき、すんなりとはいかないこともあると思います。お手伝いが必要なときには、ご連絡ください。

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